爪とぎは猫の「会話」だった。爪とぎを理解する考え方。

爪とぎは猫の「会話」だった。爪とぎを理解する考え方。

猫が家具の角で爪をとぐ姿を見て、つい「やめて」と声が出てしまった経験は、多くの飼い主さまに覚えがあるかもしれません。叱っても、しばらくするとまた同じ場所に戻ってくる。けれど近年の研究を読み解いていくと、爪とぎはどうやら爪のお手入れというよりも、もっと根の深い「会話」のための行動だと分かってきたようなのです。

ソファの角、壁紙の縁、お気に入りの椅子の脚。猫が好んで爪をとぐ場所には、ある共通点があるといわれています。それは家のなかで人や猫がよく通る道筋、つまり「目につきやすい場所」だということ。立派な爪とぎを部屋の隅にひっそり置いてみたものの、結局リビングの中央のソファに戻ってしまう。

これは猫がいたずらをしているわけではなく、爪とぎが本来「見せるための行為」だからのようなのです。爪あとそのものが視覚的なサインとなり、同居する猫や飼い主さまに向けた合図になっている。だからこそ部屋の中央や、家族みんなが行き来する場所が選ばれる。叱られても繰り返してしまうのは、猫のなかでこの行動が「ここは私の安心できる場所」という大切な表明と結びついているからかもしれません。

2016年に学術誌Journal of Feline Medicine and Surgeryで発表されたWilsonらの国際調査では、36カ国・4,105名の飼い主からアンケート回答が集められ、爪とぎ行動の役割があらためて整理されました。そのなかで爪とぎは「化学的・視覚的なマーキング、爪鞘のお手入れ、前肢のストレッチ」という複数の機能を同時にこなす行動だと報告されています。

特に注目したいのが、化学的なマーキングのほう。猫の肉球の指と指のあいだには指間腺と呼ばれる小さな分泌腺があり、爪を立てて引っかく動作のときに、ここからフェロモンが付着します。つまり爪とぎは「目に見える跡を残す」ことと「自分の匂いをそっと置く」ことを同時にこなす、ひとつの完成されたコミュニケーション行動なのです。猫にとっては、文字を書き残すような感覚に近いのかもしれません。だから止めさせようとしてもなかなか止まらない。それは行儀の問題ではなく、猫の言葉そのものを取り上げてしまうような状況だからなのでしょう。

そう知ると、止めさせるという発想そのものが少しずれて見えてきます。Wilsonらの研究でも、爪とぎは抑え込むのではなく「ふさわしい場所に向け直す」ことが推奨されていました。問題はそこから先です。爪とぎやキャットタワーの多くは、機能としては正解でも、リビングの景色のなかではどうしても異物として目立ってしまう。背の高いタワー、ロープのほつれ、原色のクッション。猫にとっての必需品が、人にとっては「できれば見えないところに置きたいもの」になってしまうのです。気がつくと寝室や物置の隅に追いやられてしまい、猫はわざわざそこまで行かず、結局ソファや壁紙のほうで用事を済ませる。この食い違いが、長年多くの家庭で繰り返されてきたのではないでしょうか。

猫にとってfurnyaのCat Cellarは心ゆくまで爪を立てられ、肉球の匂いをきちんと残せる専用の場所。人にとっては、リビングの真ん中に置いても風景に溶け込む、北欧家具のようなたたずまい。爪とぎを我慢させるのではなく、猫の「会話」ごと部屋に迎え入れる。家具を傷つけられて困っている方にも、すでに猫との暮らしを楽しみつつ見た目をもっと整えたい方にも、Cat Cellarを迎え入れていただけたら幸いです。

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※参考:Wilson C, Bain M, DePorter T, Beck A, Grassi V, Landsberg G. Owner observations regarding cat scratching behavior: an internet-based survey. Journal of Feline Medicine and Surgery, 2016. DOI: 10.1177/1098612X15594414

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