猫の動きは"4種類"。短く動いてすぐ休む身体と家具。

猫の動きは"4種類"。短く動いてすぐ休む身体と家具。

家にいる猫の動きをしばらく眺めていると、なんとも忙しい動物だなと感じる瞬間があります。棚の上にぐっと跳び乗ったかと思えば、ソファの肘掛けで横向きに伸び、5分後には部屋の隅で丸まって寝ている。動と静の切替が極端で、一定のリズムで動き続ける犬とはずいぶん違う印象です。この極端さはかわいらしさでもありますが、家具を選ぶ点で見るとちょっとした手がかりにもなります。今日はそんな猫の身体の話を、手元の二冊の本の記述からたどってみます。

この「忙しさ」は気まぐれではなく、身体構造に由来するそうです。ねこ検定公式ガイドの初級編には、猫の身体能力は大きく4つに整理できると書かれています。バランス(細い場所を歩く)、ツイスト(空中で身を翻す)、ダッシュ(短距離の全力疾走)、ジャンプ(垂直跳び)。改めて家の中の場面を思い返すと、本棚の上端を綱渡りのように歩いていたかと思えば、落ちかけて空中で身を翻し、そのまま走って机の下に滑り込み、最後に椅子の背に跳び乗る。たしかにこの4種類のどれかに、ほとんどの動きが収まっていきます。逆に言うと、猫は「ゆっくり長く動き続ける」という選択肢をあまり持っていない動物なのかもしれません。

中級・上級編のほうには、もう少し踏み込んだ骨格の話が載っています。猫の脊椎は柔軟で、3次元的に複雑な姿勢が取れるとのこと。鎖骨も他の動物と比べて発達していて、前足を器用に使えるそうです。前足だけ家具の隙間に突っ込んで体は反対側を向く、頭は上を向けたまま後ろ足だけ伸びをする、といった「ねじれ姿勢」が成り立つのは、こうした骨格の柔らかさが背景にあるようです。筋肉については、白筋(速筋)が多く、赤筋(遅筋)は少ないと記されています。瞬発力に優れる代わりに、持久力には向かない身体です。ダッシュの後にすぐ横になるのは、なまけているのではなく「短く動いて長く休む」が前提になっていると読み取れます。

しかも猫の「休む姿勢」は一種類ではありません。前足をしまって丸まる、横向きにだらりと伸びる、頭だけ出して体を隠す、前足を垂らして伏せる。気温や音、機嫌、体調によって、同じ場所でも姿勢が変わっていきます。狭くて完全に密閉された箱だと、この使い分けがしづらい場面も出てきます。

私たちが猫の家具を考えるとき、つい「どれだけ高く登れるか」「どれだけ長い動線を引けるか」を起点にしてしまいます。ですがここまでの記述を踏まえると、起点はもう少し別の場所にあるはずです。猫が短く動いてすぐ休むのなら、動きの直後に滑り込める場所を、いくつかの姿勢で使い分けられる形で用意したほうが、本来の身体リズムには沿うように思うのです。家の中で猫がよく使う場所を見比べてみても、登りやすさよりも「体をひねって落ち着けるか」「頭だけ覗かせられるか」のほうが、長く居着く理由になっているのではないでしょうか。

Cat Cellarは、ワインセラーのような隙間が特徴です。頭だけ突っ込んで体は外に出している、横向きで体をひねって丸まっている、上に伏せて前足を垂らしている、というように、ひとつの家具の中で姿勢が何種類か成り立ちます。高さもキャットタワーより抑えていますので、シニア猫や小型猫、跳躍に少し慎重になり始めた子にも、無理のない高さに収めています。多頭飼いの家では、ウェーブの上下と穴の内外でそれぞれが別の姿勢をとり、薄いダンボール越しに気配だけ感じながら休む、という距離の取り方とも自然になじみます。

本の記述を踏まえると、動かないのではなく「動き終わってから休んでいる時間が長い」だけのケースも多いのではないでしょうか。だとすれば家具に求められるのは、動きを増やす仕掛けというより、4つの動きの後にすぐ受け止められる形と、その中で姿勢を変えられる余白です。Cat Cellarは住まいの中で大きな主張をしない、けれど猫の身体リズムに沿う、損のない一台になるかと思います。

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※参考:ねこ検定公式ガイドBOOK 初級編(新版)p.36-37「身体能力・足の機能」/ねこ検定公式ガイドBOOK 中級・上級編(新版)p.24-25「身体のしくみ」

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